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石垣島でテナガエビ類のサンプリングを行いました

 10月28日から3日間、テナガエビ類を採集するため石垣島に向かいました。
暑さが和らぎ台風も来ないベストシーズンのはずでしたが、雨に降られたり、雲ひとつない快晴で汗だくになったりと、大変でした。

           

10月の末とは思えない海の色。

この日はどこからどう見ても夏でした。

かと思えば

上着が欲しくなる天気になったり・・・。
特に朝と晩は秋を感じました。

           

漁港では大きなハマダイがたくさんあがっていました。

肝心のテナガエビはというと

ツブテナガエビ Macrobrachium gracilirostreが大漁でした。

ツブテナガエビのサンプル集めにずっと苦労していたので、ついにツブをリリースする日が来たかと思うと感慨深いものがあります。
今年は沖縄本島でも比較的簡単にツブを採集することができます。去年は全然採れなかったのですが。
自分の採集スキルが上がったのか、今年が当たり年なのかは分かりません・・・。

これはヒラテテナガエビ M. japonicumです。沖縄島以北では普通種ですが、八重山では稀です。
採った時は種類が全く分かりませんでした。1個体しか見ていませんが、頭胸甲の模様のせいか、かなり雰囲気が本島のものと違う気がします。

これはオニヌマエビ Atyopsis spinipesです。

大型のオスは第三胸脚が丸太のように太くなるようです。ここまで立派な個体を採ったのは初めてでした。
これも採集時は別の種類だと思っていました。ぬか喜びでした。

普段採れる個体はこんな感じです。写真は沖縄島北部にて。


念願のチュラテナガエビ M. sp.もついに採集できました。

先島諸島でしか見つかっていない珍しいテナガエビです。形態についての情報があまりに少なく、喉から手が出るほど欲しかった種類です。成体のペアを採集することができて安心しました。

金粉がまぶされていて、奥ゆかしい派手さを持つ渋いテナガエビです。
写真では分かり難いですが、雌雄共に第二胸脚掌節の青白い色彩が特徴的です。

マングローブ域でも採集をしました。上の写真はスベスベテナガエビM. equidens、汽水域に生息するテナガエビです。
オオテナガエビM. grandimanusやスネナガエビPalaemon debilis、イッテンコテナガエビP. concinnusと同所的に生息していますが、数は多くないようです。

   

マングローブ林ではハゼ類がたくさん採れます。このいかつい魚はウチワハゼ。

   

インコハゼ若魚。

ノボリハゼ。

スナゴハゼ。

カワヨウジ。

これはほとんど淡水域ですが、シマエソハゼ。


ヒラアシとコツノテナガエビは採集できませんでしたが、大きな成果があった石垣島でした。
フィールドワーク以外にも食事や観光も楽しめました。
やはり八重山はいい所だ・・・!

by F

2016.11.15 ヒラテテナガエビ・オニヌマエビの写真を追加しました
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